埼玉新聞

 

狭山のロールケーキ専門店、一番人気商品のお味は 埼玉産小麦など材料こだわる なぜロールケーキに特化?

  • 「ふわっふわっ巻きたてロールケーキ」(右)とハーフサイズの「フルーツロール」を持つ田口さん=狭山市加佐志

 「ふわっふわっ巻きたてロールケーキ」という名前の店が、狭山市加佐志にあった。住宅街に5店舗ほどが並んだ小さな商店区域にあり、基本的には土日曜日の2日間しか営業していない。店名に引かれつつも、肝心の味はどうなのか。一番人気の店名と同じ名前のケーキを食べてみた。

 1口目から違いが分かった。スポンジはパサパサせずにやわらかく、程よい食感が楽しめる。生クリームは舌ざわりが良く、口どけも滑らか。全体的に甘さは控えめなので後味が良い。

 オーナーの田口守さん(52)に感想を伝えると「こだわっていますから」と、すぐに返事がきた。スポンジの材料の薄力粉には埼玉産の小麦から作ったものを使い、生クリームは風味の出る動物性のものを使用。砂糖はミネラルとビタミンの豊富な洗双(せんそう)糖を選び、卵はいつも新鮮なものを用意する。

 購入したものは1本(約18センチ)税込み1652円と安くはない。それでも「万人受けしようと思わず、いいものを使っておいしいものを作る」と田口さん。

 36歳の時、10年間の修業を経て所沢市内に店を構えた。しかし豊富な品ぞろえのために体調を崩したこともあった。4年ほど前、マーケティングを学び始めてロールケーキに特化することに。店の場所は管理会社に「ここでいいんですか?」と念押しされたが「迷いはなった」という。

 平日は店内でお菓子教室を開いている。田口さんは「材料にこだわって飛び切りのロールケーキを作っている」と話している。

 4月の営業は土日曜日と29日。午前10時~午後6時。問い合わせは、同店(電話04・2946・9006)へ。

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