埼玉新聞

 

電子タバコも分別を 電池破砕の衝撃で発火、稼働停止に 埼玉・上尾のごみ処理施設、再開前に復旧内覧会

  • 職員が線香の火を近づけ、最新の熱源検知器を作動させるデモンストレーション=西貝塚環境センター

 上尾市は7月27日、火災によって停止していた西貝塚環境センター粗大ごみ処理施設の復旧内覧会を実施した。畠山稔市長や市議、近隣住民など約50人が参加。施設は8月から再開する。

 火災は、昨年10月13日午後3時17分ごろ発生。小型充電式電池(リチウムイオン電池など)の破砕による衝撃で発火したとみられ、破砕物搬送コンベヤーや周辺の機械設備、電気設備などが燃え、稼働停止となった。このため約9カ月間、近隣市や民間の施設にごみ処理を依頼してきた。

 同施設の粗大ごみ破砕形式は2段階で、火災が発生した場所は後破砕用の回転式破砕機から選別機に送るベルトコンベヤー。復旧工事ではベルトを難燃性のゴムにしたほか、線香程度の小さな火でも感知できる熱源検知器を新たに16カ所に設置、散水ノズルも12基を増設して計25基にした。復旧工事費は約4億7700万円。

 小型充電式電池によるごみ処理場の火災は全国的にも問題となっており、県内でも草加市で5月に同様の火災が起きている。上尾市では、これまで公共施設に「小型家電回収ボックス」を設置しリサイクルを呼び掛けてきたが、今後は集積所での個別回収も行うことにした。「金属・陶器」の日に他の不燃ごみと分けて透明の袋に入れて出すことで安全に回収できるという。

 同センターの佐藤健一所長は「電子タバコや電動歯ブラシ、モバイルバッテリーなどもリチウム電池が使われている。不燃ごみとして出すのは危険なので、必ず分別してもらいたい」と話している。

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