埼玉新聞

 

深夜の散歩、水面に感じた怖さ抽出…現代美術家が作品に 埼玉・所沢の角川ミュージアム、アマビエ作品展示

  • ミュージアム2階エントランスから3階吹き抜けにかけて展示されている「reflectwo」=7月29日午前、所沢市東所沢和田の角川武蔵野ミュージアム

 角川武蔵野ミュージアム(所沢市東所沢和田)で行われている「コロナ時代のアマビエ」プロジェクトの第4弾として、現代美術家の荒神明香(こうじん・はるか)さんが手掛けた「reflectwo」が同館2階エントランスから3階吹き抜けにかけて展示されている。

 同プロジェクトはコロナ禍で人々に求められるイメージを6人のアーティストがそれぞれの解釈で制作するもので、これまでに現代美術家の会田誠さんと鴻池朋子さん、川島秀明さんの作品が展示されている。

 「reflectwo」は荒神さんが学生時代に深夜、川沿いを散歩していた時、得体の知れない巨大な生物と対峙(たいじ)しているような存在の怖さを感じた水面に映し出された景色を再現した作品。これまでは水平方向に構成されていたが、今回の展示では垂直方向で構成されている。色鮮やかな花弁が左右対称に並び、高さ7メートル、幅2・6メートル、奥行90センチの作品が天井から吊るされている。

 荒神さんは「この作品では人工的でありながら有機的な形を持ち合わせている造花の花弁を一枚一枚張り合わせることでその時に見た水鏡の景色の恐ろしさを抽出し、目の前に再現しようとした」と話していた。

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