埼玉新聞

 

<埼玉西武だより>打たれた経験生かして…埼玉武蔵HBに派遣の大窪士夢、悔しい想い受け止め今後の成長に

  • ヒートベアーズでの最終登板を終えた大窪士夢(球団提供)

 埼玉武蔵ヒートベアーズ戦士としての最後のマウンドは悔いが残った。7月24日、埼玉西武から派遣されて約2カ月が経過した大窪士夢は角監督の100勝をかけ先発するも、3回3失点で降板。チームは3回に逆転をするも、その後のマウンドを任せてもらうことはできなかった。

 「角監督の100勝を自分が勝利投手になって飾りたかったです…。この2カ月間でBCリーグのレベルの高さを感じましたし、自分の力不足という点も感じました」。6月からヒートベア―ズに派遣され、上手くいかないことばかりだった。勝負所で痛打され、序盤に降板することも少なくなかった。「球速もまだまだで、変化球も自信をもって投げることができる球種がすくない」と自らに足りない部分を改めて見つめた。

 最終登板は、スタンドから杉山賢人二軍投手コーチも見守った。「課題は明白だと思います。でもこの2カ月で彼の中でも学びがあったはず」と今後、ライオンズに戻ってからのレベルアップを期待した。

 大窪自身、悔しい想いの連続だったこの2カ月だったが、最後の登板でも試合中は絶えずチームメ―トからの大窪を鼓舞する声が球場に響いていた。チームの中では年が若い方の大窪に、「士夢、頑張れ!」というバックの声が、常にその背中を押してくれていた。最後の回は直球の伸びは増し、相手のスコアボードにようやく「0」を刻んだ。

 5月までヒートベアーズに派遣されていた出井敏博が最後の登板で勝利投手にしたように、3回に一挙4点を挙げて大窪の負けを消したヒートベアーズ。今後の大窪の飛躍を後押しするような猛攻撃だった。

 苦しい想いの方が断然多かった大窪の2カ月だが、今後ライオンズでどう成長していくかは、この結果をどう受け止めてどう自らと向き合っていくかで決まる。

 「ヒートベアーズでは打たれた経験をこれから生かしていきます」。ヒートベアーズに与えてもらった機会が支配下契約に繋がったと言える日が訪れるように、大窪は再びライオンズのユニフォームを身にまとって、もう一段階ギアを上げる。

(西武ライオンズ広報部)

=埼玉新聞WEB版=

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