<東京五輪>走り幅跳び橋岡優輝、決勝で37年ぶり入賞 さいたま出身 中学の恩師「パリ五輪でメダルを」
2日の東京五輪陸上男子走り幅跳び決勝で、さいたま市出身の橋岡優輝選手(22)=富士通=が、8メートル10を記録して6位入賞した。初の大舞台でメダル獲得はならなかったが、37年ぶり入賞の快挙に、市立岸中学校時代の恩師は「教師冥利(みょうり)に尽きる。パリ五輪でメダルを取ってほしい」と話した。
橋岡選手は岸中に入学後、陸上を始めた。2、3年時の陸上競技部顧問だった横尾雅実さん(63)は、予選、決勝ともテレビ観戦しながら応援。予選は1回目で8メートル17を記録し、あっさり決勝進出を決めていただけに、期待が高まっていた。「決勝は五輪の雰囲気があるのか、いつもの調子が出ていないように思った。最後の6本目はドキドキしながら見ていたが、最後に8メートルを超える8メートル10を跳んで良かった」と振り返った。
横尾さんによると、中学時代は天真らんまんに楽しみながら練習するタイプ。両親は陸上の元日本記録保持者で、DNAを受け継いだ身体能力の高さは見て取れた。横尾さんはいろいろな種目をやらせようと考え、四種競技を選んだ。集中力が高く、跳躍種目での修正能力を既に備えていた。3年時に全日本中学陸上選手権の四種競技で3位入賞。「3年時に記録が伸び始めて、だいぶ本気度が出た」と思ったという。
橋岡選手は東京・八王子高校に進学して、走り幅跳びを本格的に始めた。高校卒業後の3月に連絡があり、岸中に横尾さんを訪ねた。後輩たちと一緒に練習をして、横尾さんに将来の目標を語っていたという。「東京五輪を目指します。世界の記録から頑張っていけば、決勝に残り、メダルを取りたい」
横尾さんは「少しでも教えた生徒が五輪に出場して6位に入賞するなんて、本当にうれしい。教師冥利に尽きる。まだ若いので、世界選手権、パリ五輪に出場して、ぜひメダルを獲得してほしい」と期待していた。