埼玉新聞

 

神輿に水をかけながら豪快にもみ合う 舟が風雨にさらされたことに由来 熊谷市葛和田の大杉神社であばれ神輿

  • 水しぶきを上げながら、神輿をもみ合う男衆=28日、熊谷市葛和田の利根川

    水しぶきを上げながら、神輿をもみ合う男衆=28日、熊谷市葛和田の利根川

  • 水しぶきを上げながら、神輿をもみ合う男衆=28日、熊谷市葛和田の利根川

 熊谷市葛和田にある大杉神社の祭礼行事「葛和田のあばれ神輿(みこし)」が28日、行われた。最大の見せ場は、利根川の中で神輿をもみ合う「川もみ」。川に入った男衆が水しぶきを上げながら、勇壮に神輿をもみ合った。

 祭りは江戸時代の1801年、初代の神輿が造営されて始まった。明治になって鉄道が整備される以前、舟運で栄えた葛和田には、暴風雨に見舞われた船頭が、大杉神社の神に導かれて難を逃れたとの伝承がある。神輿をもみ合うのは、舟が風雨にさらされたことに由来するという。

 現在は明治期に造られた3代目の神輿で、総重量は約1・5トン。午後2時過ぎ、利根川の渡船場に着いた神輿が数十人の男衆と共に川へ入ると、男衆が次々と神輿によじ登り、水をかけながら豪快にもみ合った。今年の祭礼を統括した大頭(おおがしら)の石川稔さん(67)は「厳しい暑さだったが、無事に終わり安心した」と語った。

ツイート シェア シェア