「盆栽博士ちゃん」が魅力語る 高校生の清水さんがさいたま市の盆栽美術館で講座 世界中で楽しまれる盆栽紹介 「個人の価値と市場の価値は違う」「値段に翻弄されず楽しんで」 小学生と一緒に盆栽のせん定も
さいたま市北区の大宮盆栽美術館で27日、「盆栽博士ちゃん 清水ちえりさんの盆栽講座」が開かれた。早大本庄高校2年の清水ちえりさん(17)=群馬県高崎市=が、スライドトークや盆栽クイズなどを通して、盆栽の魅力を楽しく分かりやすく解説した。
盆栽にまつわる疑問を解決しながら盆栽のさまざまな魅力を学ぶ企画展「夏休み子どもぼんさい美術館」の関連イベントで、約20人の親子連れなどが参加した。
清水さんが盆栽に出合ったのは小学4年生の時。祖父に連れられて訪れた2017年の「世界盆栽大会inさいたま」だった。以来、盆栽に魅せられ、盆栽展の最高峰「国風盆栽展」に史上最年少の12歳で入選。テレビのバラエティー番組で「盆栽博士ちゃん」として紹介された。最年少の日本盆栽協会の会員で代議員も務める。26年にマレーシアで開催する世界盆栽大会のアンバサダーにも就任している。
清水さんは「盆栽は年配の人の趣味と思われるかもしれないけれど、今は違う。日本文化の盆栽が世界中で多くの人に楽しまれています」と世界地図を示しながらアジア諸国やイギリス、スペインなどで愛好されている「BONSAI」を説明。自身が作った盆栽クイズを用いて、盆栽の種類や歴史、形、作法について分かりやすく解説した。
「千円で買えるのに1億円もする盆栽があるのはなぜでしょう」と問いかけ「盆栽は生きている芸術なので、時価になる。流行もあり、国風賞を取った盆栽でも半分ぐらいに下がることも。個人の価値と市場の価値は違う。値段に翻弄(ほんろう)されずに楽しんでほしい」と清水さん。
その後、真柏(しんぱく)の盆栽を使って、せん定の体験も行われた。参加した北区の西村直樹さん(10)=市立植竹小5年=は「盆栽の歴史が勉強になった。実際にせん定をやってみたら枝が硬くて難しかった。6年生になったら自分の盆栽もちゃんと育てたい」と話した。
清水さんは「これを機に若い世代に興味を持ってもらえたらうれしい。盆栽は自分の鏡となるようなもの。毎日の水やりや手入れでいくらでも盆栽の可能性が広がる。自分を表してくれる」と瞳を輝かせて、盆栽の魅力を語った。
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「夏休み子どもぼんさい美術館」は8月28日まで。時間は午前9時~午後4時半。木曜休館。一般310円、高大生、65歳以上150円、小中学生100円。
問い合わせは、同館(電話048・780・2091)へ。