父が亡くなり、家で泣き崩れた母…終戦翌年の出来事 状況わからぬ当時10歳の女性、戦没者追悼式で祈り
2021/08/17/00:00
終戦から76年を迎えた15日、政府主催の全国戦没者追悼式が東京都千代田区の日本武道館で開かれた。
今年の全国戦没者追悼式は、新型コロナウイルスや緊急事態宣言の影響により、県からは代表として行田市の沢田敏代さん(83)が参列した。
沢田さんの父石井富太郎さん=当時(39)=は終戦翌年の1946年7月28日、モンゴルのウランバートルにある病院で戦病死した。
日本にいる家族の元へ亡くなったという知らせが届いたのは48年4月15日。沢田さんが10歳の時だった。「父が亡くなったことは、子どもだったのでよく分からなかった」というが、「母は家で泣き崩れていた」と当時を振り返る。
その後は、6人きょうだいということもあり、つらい思いも経験してきたという。「戦争で犠牲になるのは戦死した人だけではない」と残された家族としての思いを口にした。それでも、母親が家計を支えてくれたといい、「母が頼りだったし、一番大事だった」と当時の思いを話した。
沢田さんは「今の若い人たちには戦争に参加してほしくないし、戦争をしてほしくない」と思いを語る。県の代表としての参列は「今まで生きてきた中で一番重要な日」と表現。「今後、戦争もなく永久平和な日本であってほしいと」と追悼式で祈りをささげた。