埼玉新聞

 

<東京パラ>父の「やってみたら」で参加決意、富士見・手島さんあす聖火フェス 恩師が特訓、世界広がる

  • 中学の恩師の指導で車椅子を乗りこなし、「世界が広がった」と振り返る手島凛さん=富士見市

 東京パラリンピックの聖火を県内でつなぐ「聖火フェスティバル」が19日、朝霞市の朝霞中央公園陸上競技場で行われる。新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言で、公道走行が中止になったものの、県内17市町村で採火された聖火を141人のランナーが100メートルずつ、3人一組のリレーでつなぐ。フェスの様子はインターネットで生中継される予定。県選出ランナーに思いを聞いた。

■笑顔で元気分けたい/富士見・手島凛さん(19)

 父からの「やってみたら」という一言をきっかけに聖火リレーへの挑戦を決めた。「笑顔で走り、元気を分けたい」と意欲を見せている。

 生まれつき身体に障害があり生活介護施設に通う。中学の恩師の特訓の成果もあって、今では電動車椅子に乗り、一人でどこにでも出掛ける。コロナ禍前は「青春18きっぷ」で鉄道に乗って遠出するなど、物おじしない積極的な性格の持ち主だ。

 「楽しそう、やってみたい」と興味を抱けばとにかく挑戦する。地元の劇団では、たくさんの人と作品を作り上げる楽しさを実感。パラリンピックで正式種目になっているボッチャでは、イベントに参加して勝つほどの腕前だ。

 施設で知り合った友人をボッチャに誘ったり、上手な人から教わったりして成長を続ける。「スポーツは見るよりやる方。でもパラリンピックのボッチャは見たい」という。

 聖火リレーに向け、勇気を出してワクチン接種も受けた。新型コロナウイルスの影響で公道走行が中止されたことには「残念」とこぼすが、「できることをしたい」と前向きな気持ちを捨てない。朝霞中央公園陸上競技場での代替リレーで「つらい思いをしている人々が少しでも元気になるように」と願って走る。

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