埼玉新聞

 

【動画】写真公開…不審な男が徘徊している様子、ほかにも情報提供を呼びかけ 不審火が周辺で相次ぎ、関連に注目 ドラレコ映像や目撃情報など募る 酷似した姿の人物、複数の現場で目撃される

  • 不審火があった複数の現場周辺で確認された人物(県警提供)

    不審火があった複数の現場周辺で確認された人物(県警提供)

  • 容疑者が確保持に着用していた帽子

    容疑者が確保時に着用していた帽子

  • 容疑者が確保持に着用していた衣服

    容疑者が確保時に着用していた衣服

  • 容疑者が確保持に乗っていた自転車

    容疑者が確保時に乗っていた自転車

  • 不審火があった複数の現場周辺で確認された人物(県警提供)
  • 容疑者が確保持に着用していた帽子
  • 容疑者が確保持に着用していた衣服
  • 容疑者が確保持に乗っていた自転車

 久喜市や桶川市、伊奈町の住宅などで1日から5日にかけて9件の不審火が相次ぎ、その一部に放火したとして男が逮捕された事件で、県警は8日、不審火が発生した複数の現場付近で確認された自転車に乗った人物の画像などを公開し、広く情報提供を呼びかけている。

 連続不審火を巡っては、久喜市菖蒲町内の倉庫に放火したとして、無職の男(61)=久喜市菖蒲町小林=が逮捕された。男は犯行時に黒色半袖シャツに麦わらのような帽子をかぶり、自転車に乗っていたとみられる。ほかの複数の不審火の発生現場周辺でも、7月31日夜から8月5日未明にかけて、自転車で帽子をかぶった人物が確認されているという。

 県警は現場周辺で自転車に乗った人物の目撃情報や現場周辺を通過した車両のドライブレコーダーなどの情報を募っている。

 情報提供先は、上尾署特別捜査班(電話048・773・0110)へ。

■「全く身に覚えない」と否認(以下、逮捕時の記事)

 久喜市や桶川市などで1日から不審火が相次いでいる事件で、そのうち一部に関与したとして、県警は6日、非現住建造物等放火の疑いで、久喜市菖蒲町小林、無職の男(61)を逮捕した。県警は上尾署に60人態勢の特別捜査班を設置し、周辺で発生しているほかの不審火との関連についても捜査している。

 逮捕容疑は5日午前1時20分ごろ、久喜市菖蒲町小林地内の倉庫にいずれかの方法で放火し、全焼させた疑い。調べに対して「全く身に覚えがありません」と容疑を否認しているという。

 捜査1課によると、犯行現場は会社役員の男性(76)方の敷地内で、倉庫と中に収容されていた車両などが全焼した。けが人はいなかった。男の自宅と現場は約800メートル離れており、自転車で移動して犯行に及んだとみられる。

 周辺の防犯カメラに男とみられる人物が写っていたことなどから関与を特定。6日午前0時ごろ、自転車で自宅を出て徘徊(はいかい)を始めた男を警察官が発見し、北本市内で職務質問をした上で、上尾署に任意同行した。職務質問をした際にマッチを所持しており、常時持ち歩いている旨の供述をしているが、男はたばこを吸わないという。

 1~5日には、久喜市や伊奈町、桶川市内の半径約3・5キロの範囲で計9件の不審火が発生しており、県警は現場付近を中心に広範囲で警戒を強めていた。

 特別捜査班は、ほかの不審火についても男の関与を慎重に捜査している。

■5日夜は警官が警戒中に建物炎上

 5日午前1時35分ごろ、久喜市菖蒲町小林、男性(76)方敷地内から出火、平屋の倉庫1棟と自動車2台などが全焼した。けが人はなかった。4日未明、県南東部で、火災が相次ぎ発生しており、久喜署は不審火の可能性を視野に出火原因を調べている。

 同署によると、前夜の火災を受け警戒中の警察官が男性方から火が出ているのを発見したという。男性は1人暮らしで、出火当時母屋にいて無事だった。倉庫内の車2台、トラクター、コンバインが被害に遭った。

 付近では1~4日にかけて、半径約3キロの範囲で、いずれも夜間に同市菖蒲町菖蒲で住宅や倉庫などが燃える火災が3件発生。隣接する桶川市や伊奈町でも3件発生し、計6件火災が確認されている。県警は一連の火災について、連続放火の可能性も視野に捜査している。

 また、捜査関係者によると、一連の火災は土地勘のある人物が火を付けた可能性もあるとみており、現場付近を中心に広範囲で警戒を強化している。

■原因が分からず住民に不安の声

 5日午前、家屋や畑が並ぶ久喜市菖蒲町小林の火災現場には、赤黒く焦げた柱が傾いた倉庫が残され、火の激しさを物語っていた。規制線が張られた建物の中や周囲には黒いすす状の残骸が散らばり、倉庫内の車両は窓ガラスが焼け落ちていた。

 現場の向かいに住む男性(77)は午前1時半ごろ、近隣住民から火災発生を知らされ、飛び起きたという。「煙や火よりも驚きが大きかった。今は原因が分からず、怖い」と明かし、「報道で放火の可能性があると知った。長年住んでいるが、このようなことはなかった」と心配そうに現場を見つめた。

■4日未明から火災5件、4時間のうちに

 4日未明、県南東部の桶川市や伊奈町、久喜市で、住宅や店舗、農業用ビニールハウスなどが焼ける火災が5件相次いで発生した。上尾署と久喜署は、火災が約4時間のうちに隣接する自治体の半径3キロほどの圏内で起きていることなどから、連続放火の可能性も視野に関連を調べている。

 上尾署によると、4日午前0時20分ごろ、桶川市加納の男性方の敷地内から出火し、ビニールハウス3棟などが全焼した。午前1時半ごろ、桶川市小針領家の男性(56)方から出火し、木造2階建て住宅を全焼。男性は避難する際に右手に擦り傷を負った。午前2時5分ごろ、伊奈町小針新宿の男性(78)方の敷地内から出火し、トタン製物置1棟が全焼した。

 約2時間後には久喜市内で火災が2件発生した。いずれもけが人はいなかった。午前4時5分ごろ、久喜市菖蒲町菖蒲、理容店店舗から出火し、木造2階建て1棟が全焼。約2分後、同市菖蒲町菖蒲の男性(67)方から出火、木造2階建て住宅1棟と乗用車3台が全焼した。

 久喜署によると、発生場所は直線上で約500メートルの距離。近所の女性は「近くでも火災があったと聞いている。誰かが火を付けたのかな。怖い」と心配そうに話した。

 久喜市内では今月1日、今回の現場から約4キロの住宅と軽乗用車が全焼する火災が発生。同署は4日の火災との関連性を含め捜査している。
 

ツイート シェア シェア