南海トラフ地震で埼玉、南部で震度5強の恐れ…対策推進地域に含まれないが、強い揺れの予想 今後1週間は情報を注視、今できることは 埼玉各地の広い範囲で震度5弱か
日向灘を震源とするマグニチュード(M)7・1の地震発生に伴う「南海トラフ地震臨時情報」(巨大地震注意)の発表を受け、埼玉県は9日、さいたま市浦和区の危機管理防災センターで関係部局の幹部を集めた対策会議を開き、認識の共有と発災時に県庁職員が取るべき行動などを確認した。
国が指定する南海トラフ地震防災対策推進地域に、埼玉県は含まれていないものの、県南部で震度5強、県内の広い範囲で震度5弱の地震発生が想定されることから、対策会議の冒頭で、犬飼典久危機管理防災部長が気象庁発表の概要を説明した。
オンラインで参加した大野元裕知事は「職責を果たすため、まずは自らの命を守り、安全を確保する必要がある。全職員が各所属の対応を確認していただきたい。緊張感を新たにし、初動体制について考える機会としていただきたい」と呼びかけた。
確認事項として、(1)全職員に対し、有事の際の各自の役割について周知徹底を行うこと(2)震度に応じた初動体制・各課所で定める非常時優先業務および業務マニュアルの確認(3)県内の被害が軽微の場合においても他都府県から応援要請があった場合の対応―が挙げられた。
犬飼部長は「被災し、なおかつ応援を出さないといけない状況が考えられる。職員の意識徹底、対応できる体制を取るため」と参集の意図を説明し、「初動はどれぐらいの体制で、何を優先し、どの程度業務できるか確認する。埼玉版FEMA(図上訓練)、能登半島地震での対応を複合することになる」と今後の見通しを示した。
さいたま市は、8日午後9時に日野徹副市長を本部長とする災害警戒本部を設置し、9日に第1回の市災害警戒本部員会議を書面で開催した。市防災課によると、南海トラフ地震臨時情報の発表時に取るべき対応などについて共有。今後1週間程度は気象庁などの情報を注視し、各職員が情報収集に努め、速やかに参集ができる体制を取るとしている。
市のホームページや通信アプリ「LINE(ライン)」、X(旧ツイッター)では、家具の安全な置き方のポイントなど家庭でできる対策や市内の避難場所、応急給水場所の詳細などが閲覧でき、地震が発生した際の備えを再確認するように呼びかけている。