埼玉新聞

 

一度は絶滅したと思われた「オニバス」 工事によって目覚め復活 埼玉唯一の自生地・加須 赤紫色の花を咲かせる 24日には自生地でフェスタ開催も

  • 浮葉の間から花芽を出し、赤紫色の花を咲かせるオニバス=8日午前8時半ごろ、加須市飯積

    浮葉の間から花芽を出し、赤紫色の花を咲かせるオニバス=8日午前8時半ごろ、加須市飯積

  • 浮葉の間から花芽を出し、赤紫色の花を咲かせるオニバス=8日午前8時半ごろ、加須市飯積

 加須市飯積の県内唯一のオニバス自生地で、オニバスが赤紫色の花を咲かせている。オニバスはスイレン科の一年草。同市指定天然記念物になっている。24日には自生地で午前7時から同11時半までオニバスフェスタが開かれる。

 オニバスは、県のレッドデータブックで絶滅危惧ⅠA類に分類されている。全体にトゲがあることから「オニ」の名が付いたとされる。自生地は同市北川辺総合支所から東に900メートルほど。のぼりが目印になっている。見学は早朝からがお薦め。午後には花が閉じ気味になる。

 同市北川辺総合支所地域振興課によると、自生地の場所には1957年までオニバスが自生する越中沼があった。水田開発で埋め立てられ、オニバスは絶滅したと思われたが、82年の水路改修工事や2019年のパイプライン工事によって目覚め、復活した。

 オニバスの保護は、14年に発足したオニバスの会を中心に行っている。同会は8月中の土・日曜日とお盆の13日から15日、午前8時から同11時まで、現地でガイドを行っている。

 問い合わせは、北川辺総合支所地域振興課(電話0280・61・1205)へ。

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