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技術系一般職、採用数割れ 国家公務員、現行試験で初

  •  霞が関の官庁街

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 人事院は13日、国の政策運用を担う国家公務員一般職(大卒程度)の2024年度採用試験の合格者を発表した。土木や機械といった分野を学び、インフラ整備などに当たる技術系の合格者数は前年度から17・3%減り1482人。現行の試験制度となった12年度以降で初めて採用予定数(1542人)を下回った。人手不足に伴う民間企業の採用活発化や、長時間労働を背景とする国家公務員離れが影響したとみられる。

 地域別に採用され事務処理などを扱う行政系を含む一般職全体で見ても、合格者数は7557人で前年度比8・6%減だった。女性は3250人で、割合は過去最高の43・0%に上った。

 人事院は、技術系一般職について「人材を確保できない危機的な状況だ」と指摘。25年度から、行政系を含む一般職の試験に専門試験は課さない「教養」区分を新設。負担を軽くして志望者数の回復を目指す。民間の採用活動の早期化を踏まえ、同区分は年齢要件を21歳から1歳引き下げ、大学3年生から受験可能にして人材を囲い込む。

 技術系はデジタル政策や研究開発、災害時のインフラ復旧といった仕事もある。一般職は幹部候補として政策を企画立案する総合職に対し「ノンキャリア」と呼ばれる。

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