行列が絶えない人気店、観光スポットで絶好調も…台風7号で客が消える「うそのように人いない」 にぎわうはずのお盆閑散 JR駅近い伊勢丹、3時間も早く営業終了していた
非常に強い台風7号は16日、暴風域を伴って関東に接近した。県内では雨が断続的に降り、各自治体は自主避難所を開設し、警戒を強めた。湘南新宿ラインが運休するなど交通の影響もあり、仕事を早く切り上げる人や臨時休業する店も見られた。
秩父市内は16日早朝から、雨が強まったり弱まったりの繰り返しだった。お盆期間は例年多くの観光客らでにぎわいを見せる秩父神社や参道の「番場通り」、駅周辺だが、この日は閑散としていた。
秩父鉄道秩父駅に併設する地場産センター1階(秩父市宮側町)の土産店「じばさん商店」は、盆入りの13日から15日までの客足は前年以上に好調だったものの、16日はまばらだった。店長の佐俣菜津子さん(34)は「今年のお盆は子連れの家族が目立ち、レジは常に行列が絶えなかった。今日は、昨日までのにぎわいがうそのようにお客さんがいない」と話していた。
雨の中、秩父神社へ参拝に来た都内の30代夫妻は「もっと観光地を巡る予定だったが、天候が厳しそうなので、昼までには帰るつもり。(15日に)長瀞で船玉まつりを楽しめたので満足」と笑顔を見せた。
さいたま市浦和区のJR浦和駅周辺では、16日午後から断続的に強い風と雨が降り、駅の敷地内で、雨宿りをする人も見られた。
同市中央区の70代男性は、通常よりも早く仕事を切り上げた。「午後から台風の影響が大きくなると聞いたので、安全のためにも帰れなくなる前に帰ります」と足早に駅構内へ向かった。旅行から帰宅途中の20代女性は「浦和駅から湘南新宿ラインに乗ろうと思っていたが運休で困った」と肩を落とした。
同駅周辺の複数の飲食店などでは、台風の影響を理由に臨時休業した店舗が見受けられた。伊勢丹浦和店は同日の営業時間を3時間短縮し、午後4時に閉店した。同店を利用した70代男性は「天候が心配だったが、お盆の片付けのために買い物に来た」とした上で「これからどれほどの影響があるか分からないが、あすも自宅にいようかな」と話していた。