埼玉新聞

 

午前2時、男性が歩道のない道路に 危ない…埼玉・川口の介護士、1度通り過ぎるも保護 鴻巣警察署に送る

  • 増渕健署長から感謝状を受け取った松村守さん(左)=2日午前、鴻巣署

 道に迷った高齢男性を保護救護したとして鴻巣署は2日、川口市の介護士、松村守さん(52)に感謝状を贈った。

 松村さんは8月22日、自動車で知人を送った帰宅途中、桶川市内の歩道のない道路に立っていた熊谷市居住の70代男性を発見。1度は通り過ぎたものの「事故に遭ってしまうかもしれない」と不安な思いに駆られ、午前2時ごろ、同じ場所に引き返した。

 男性は片側一車線の道路を往来していて、危ないと判断した松村さんは停車。男性に「どうかされました」と話し掛け、車内に保護した。かなり動揺していた様子だったという男性に、車内でも「どこか知っている場所はありますか」などと優しく声掛けし、「鴻巣警察署」と答えたことから同署まで送り届けた。

 介護士としての経験が生かせたという松村さんは「ご無事で安心しました。こういうこと(人助け)が当たり前の社会になってくれたらうれしい」と笑顔を見せた。感謝状を贈呈した同署の増渕健署長は「適切な判断により、早期にご家族の元へお帰りいただくことができました。深く感謝しています」と功労をたたえた。

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