埼玉新聞

 

盆踊りが20年ぶりに復活 きっかけは台風で避難した小学校でお互いの顔分からず 日頃からの付き合いが非常時にも生きると企画 曲は「東京音頭」や「炭坑節」の定番に加え「ダンシング・ヒーロー」で盛り上げる

  • 当日に向けて自治会館で練習に励む人たち

    当日に向けて自治会館で練習に励む人たち

  • 万平公園に並ぶ協賛のぼりと椎名さん。後ろは旧熊谷桜堤=熊谷市万平町

    万平公園に並ぶ協賛のぼりと椎名さん。後ろは旧熊谷桜堤=熊谷市万平町

  • 当日に向けて自治会館で練習に励む人たち
  • 万平公園に並ぶ協賛のぼりと椎名さん。後ろは旧熊谷桜堤=熊谷市万平町

 熊谷駅南口から歩いて5分、熊谷市万平町の万平公園で24日、20年ぶりに盆踊りが開催される。主催は曙(あけぼの)・万平自治会連合会と青少年健全育成会桜木支部。久々の復活で、踊り方を学ぶ練習会を自治会館で開きながら準備を進め、当日参加を呼びかけている。

 同連合会会長の橋本昌克さん(67)によると、かつてはイベントが盛んな地域で盆踊りなども開かれていたが、音への苦情などから開催されなくなったという。再開のきっかけは2019年の台風19号。近隣の小学校に多くの市民が避難したが、お互いの顔が分からなかったという。日頃からの付き合いが非常時にも生きると考え、若い世代にも声をかけ、お互いが顔見知りとなるように祭りを企画した。しかし、コロナ禍で開催が見送られていた。

 発起人の一人、曙町の椎名正弘さん(52)は育成会桜木支部長だが、他の地域から引っ越してきたため、20年前の盆踊りは知らない。仲間たちと、ほぼゼロから始めた。やぐらをどう立てるのか、飲食店などの協力はどう依頼するのか、盆踊りの曲目なども分からない。そもそも、踊れる人がいない。

 各所に相談して、一つずつ課題をクリア。協力者も徐々に増えていった。やぐらは地元の高城神社から借りることができ、近隣の飲食店も出店。曙町にある市市民活動支援センターも自治会支援の取り組みとして協力し、踊り手の募集やイベントが得意な団体などへ呼びかけた。

 足りない資金はのぼりを作り寄付を募ったところ、予想を大きく上回る30以上の店舗や団体から協力があった。今後はちょうちんの絵付けを子どもたちに依頼し、愛着を持ってもらう計画だ。

 開催時刻は午後4時~同8時まで。育成会OBによる「パイ投げられ屋」をはじめ、飲食の出店、子ども向けの射的や風船釣りなど。コミュニティー放送局「FMクマガヤ」も、音響やパーソナリティーが協力して盛り上げる。曲は「東京音頭」や「炭坑節」など定番のほか、「ダンシング・ヒーロー」や学校で習う郷土ゆかりの「直実節」も。

 母親と練習に参加している近所の菅谷弦汰さん(7)は、「ビューティフル・サンデー」が得意で、「踊るのは楽しい」と話す。「盆踊りを楽しみに、多くの方に来てほしい」と橋本さんは期待している。

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