埼玉新聞

 

サングラスやネックリングOKに 長時間野外で活動→熱中症やふらつく経験も 埼玉県警が暑さ対策用具の活用を促進 「県民の安心安全のため、集中できる環境を」 現場の警察官は「清涼感で集中できる」「身に着け、地域の人にも暑熱対策呼びかけるきっかけに」

  • 暑さ対策として、サングラスなどを着用した警察官ら=さいたま市浦和区の県警本部

    暑さ対策として、サングラスなどを着用した警察官ら=さいたま市浦和区の県警本部

  • 暑さ対策として、サングラスなどを着用した警察官ら=さいたま市浦和区の県警本部

 年々厳しくなる夏の暑さ対策の一環として、県警は今夏から、活動中の警察官に対して冷却グッズなどの暑さ対策用具の活用を促進する新たな基準を示した。対策を講じることで警察官の健康状態を保ち、業務効率を向上させることが目的で、県警は県民への理解を呼びかけている。

 県警によると、現場に出て交通整理などを行う警察官は、一定時間その場を離れることができないことから、熱中症などで体調を崩してしまうケースもあったという。

 県警の内規では、対策用具に関する明確な基準は設けていなかったが、今年4月に警察庁が各都道府県警などに対策推進に関する通達を出したことを受け、基準を明確化した。他の都道府県警でも対策用具の活用を推進している。

 県警が新たに活用を勧めたのは、ペットボトル飲料を携帯するために腰に下げるホルダーや首元を冷やすネックリング、サングラスなど。用具は個人が用意し、各所属長の承認を得て使用する。サングラスに関しては、これまでも使用を認められていたが、紫外線による目の健康被害や日光の乱反射などによる事故防止の観点で、レンズ濃度がより高いものを使用できるようになった。

 ペットボトル飲料とネッククーラーを身に着けた浦和署の浦和駅前交番で勤務する宮原良太巡査部長(35)は、パトロールなど長時間野外で活動していることが多く途中でふらついた経験もあるとして、「(対策用具は)清涼感を感じることができ、集中して仕事ができる」と笑顔を見せた。同交番の田村美琴巡査(22)は「防刃衣などを身に着けていると暑さをより感じることもある」とした上で「対策用具を身に着けることで、地域の方々にも暑熱対策を呼びかけるきっかけにできたら」と意気込んだ。

 警察官の健康管理について、県警はこれまでにも制服の警察官がコンビニなどに立ち寄り飲料などを購入することを認めていた。今回の暑熱対策に合わせて、改めて立ち寄りを推進したり、熱中症に関する教養を実施するとして、県民に理解を広く呼びかけている。厚生課の塩原浩世課長は「県民の安心安全のため、職員が勤務に集中できる環境を構築していく」と話していた。

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