埼玉新聞

 

<新型コロナ>感染が心配な妊婦へ、埼玉・戸田市が優先接種を開始 接種終えた女性ら「ほっとした」

  • 「心配で、怖かった。接種できて、ほっとしました」と女性は語った=6日午後、戸田中央産院

 新型コロナウイルスのワクチン接種で、戸田市は6日、妊婦の優先接種を同市上戸田の戸田中央産院(佐野養院長、62床)で始めた。千葉県で8月に、感染して自宅待機中の妊婦が容体悪化したのに入院先が見つからないまま自宅で出産し赤ちゃんが死亡した事件があったことから市は妊婦への優先接種に踏み切った。市の要請を受け同産院が引き受け実現した。接種を終えた女性たちは一様にほっとした表情だった。

 ファイザー社製を使用し、この日は正午から午後2時までに約50人の妊婦に接種。11日と12日の土日を合わせ3日間で200人に接種する計画。2日から予約を開始しているが、週末はまだ空きがあるという。

 この日、若い女性が続々と訪れ、エレベーターで5階の接種会場へ。待ち受けた佐野養院長(67)の問診を受け、隣の部屋で接種を済ませた。

 今月16日が出産予定日という女性(39)は「出産予定日まであと10日間しかないのでとても怖かった。心配でした。2日に予約ができてほっとしました。このところ、感染が心配なので、外には一歩も出ていません」と話した。2回目は出産後の予定だ。「がんばります」と女性は言った。

 佐野院長は「少しでも市民のためにお手伝いできるといいかなと思う」と話した。

 市ワクチン接種対策室の福田忠史課長(48)は「妊婦の方が一般枠で今予約を取ると接種は10月になってしまう。ここなら安心して接種を受けられる。今週末はまだ空きがあるので多くの妊婦の方に来ていただきたい」と話している。

 同市の接種は5日までに1回目が済んだ人が63%(約8万人)、2回目は47%(約5万9000人)で順調に進んでいるという。

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