ちゃんみな、突き付けられたNOを力に 新曲「NG」はオーディション番組「No No Girls」テーマ曲
若い世代から熱い支持を受けるラッパー、シンガーのちゃんみなが新曲「NG」をリリースした。プロデューサーを務めるガールズグループのオーディション番組「No No Girls」のテーマ曲で、自身が突き付けられてきた「NO」を力に変える、鋭いヒップホップナンバーだ。
細すぎる、太すぎる、デカすぎる、チビすぎる―。歌詞にはかつて自分に向けられた否定的な言葉を盛り込んだ。「今はもう傷ではないと思います。そう言えるまでには時間がかかったけど、傷ついた皮膚が硬くなって強くなるのと一緒で、それが武器になった。傷というよりは、私の強みとして歌っているんです」
「お前のNOは無意味」というフレーズを繰り返し、同じような言葉をぶつけられてきた世界中の少女に「扉を開け放ってやる」と呼びかける。
音楽プロダクション「BMSG」と手を組んだオーディション「No No Girls」のタイトルには「否定されてきた方に力を貸したいという思いがありました。私が怒っているということが、彼女たちの背中を押すことになるんじゃないかな」。番組は10月から日本テレビで放送され、Hulu、ユーチューブでも配信される。
母親は韓国人で父親は日本人。作詞作曲からダンスの振り付けまで自分でプロデュースし、高校時代から注目された。恋愛からいじめ、差別の体験まで、赤裸々に歌ってきた。日本語、韓国語、英語を操り、海外でも活動するが「どこか居場所がない」という感覚が薄れたのは、ここ数年のことだという。
7月に韓国のアーティスト「ASH ISLAND」との結婚を発表し、出産を控えている。「日本では韓国の音楽が流れて、韓国でもJポップが流れている。お互いに好きという雰囲気がすてきだと思う」。自分が日韓の「架け橋」になれたらと願っている。
(取材・文=共同通信 森原龍介)