調子が良かっただけに、悔しさが募った。5日の楽天戦、今季3度目の先発マウンドに上がった渡辺勇太朗は一回、二回と上々の滑り出し。だが、落とし穴は三回2死を取ってからだった。

　「辰己さんへの四球が全てでした」と渡辺が悔やんだのは、カウント3―1からストレートが外に抜けてしまった場面。ヒットでつながれピンチを広げると、そこから3点を失った。「心の隙がありました」と唇をかんだ。

　チームは直後の四回、中村剛也の適時打などで1点差に詰め寄ったが、その裏に再び失点。最後までチームに流れを引き寄せることができず2―8と完敗を喫した。渡辺が感じたのは、1球の大切さ。

　降板後、「その1球で流れが一気に変わるということを改めて感じています」と反省した渡辺。適時打を打たれた場面も「力んでしまった」と振り返るように、多くの課題が見つかった。

　辻監督も「一回、二回は素晴らしかった」と振り返るように、投球の中で渡辺の良さも垣間見えた。内角、外角の出し入れもうまく使いながらの投球だった。これは背番号12がさらに大きくなるための試練。自らと向き合い、一つずつ階段を登っていく未来のエースに期待したい（埼玉西武ライオンズ広報部）。