漫画「はだしのゲン」を手がけ、2012年に73歳で死去した中沢啓治さんが、米国の権威ある漫画賞「アイズナー賞」で、優れた功績がある漫画家を顕彰する「コミックの殿堂」を受賞した。翻訳権代理会社を通じて22日までにトロフィーを受け取った妻ミサヨさん(81)は「受賞は本当に光栄。主人も喜んでいると思う」と語った。
中沢さんは1939年に広島市に生まれ、6歳で被爆。父、姉、弟を失った。68年の「黒い雨にうたれて」を皮切りに原爆や戦争の悲惨さを告発する漫画を発表し続けた。「はだしのゲン」は73年から週刊少年ジャンプで連載を開始した自伝的漫画で、平和教材としても活用された。