埼玉新聞

 

【青春の「ザ・ベストテン」 南野陽子 #2】1位でも「申し訳なくて」 会心の出来探し続け

  •  「歌手とか俳優とか、自分の肩書を堂々と言えたことはあまりないんです」と語る南野陽子

     「歌手とか俳優とか、自分の肩書を堂々と言えたことはあまりないんです」と語る南野陽子

  •  「話しかけたかった」で初めて1位を獲得した南野陽子(Blu―ray BOX「南野陽子 ザ・ベストテン コレクション」より)

     「話しかけたかった」で初めて1位を獲得した南野陽子(Blu―ray BOX「南野陽子 ザ・ベストテン コレクション」より)

  •  「歌手とか俳優とか、自分の肩書を堂々と言えたことはあまりないんです」と語る南野陽子
  •  「話しかけたかった」で初めて1位を獲得した南野陽子(Blu―ray BOX「南野陽子 ザ・ベストテン コレクション」より)

 南野陽子は1987年4月、TBSの人気音楽番組「ザ・ベストテン」の週間ランキング1位に初めて輝いた。人気の証しだが、内心には複雑な思いがあった。その思いこそが、南野に芸能生活を続けさせてきたという。(ベストテンの思い出を聞く連載の第2回です)

   ×  ×

 〈楽曲「話しかけたかった」で1位に輝き、お祝いで高校時代の友達が駆け付けました〉

 サプライズだったし、しばらく友達にも会えていなかったのですごくうれしかったです。まず、1位が本当にうれしくて…でも、半分以上は申し訳ない気持ちだったかもしれません。

 〈申し訳ない、とは?〉

 だって、誰がどう聞いたって1位の歌唱はできていないわけです。もちろん1位はうれしいけど「他の週に比べて見劣りしませんか?」と思ってしまって。それでもやっぱりうれしくて、家で何回も何回もビデオで見ましたけれど。

 〈自身の歌唱に納得がいっていなかった〉

 いつも、撮影が終わって家に帰る車の中では「またできなかった」「またちゃんと歌えなかった」と、落ち込んだり自分を責めたりしていました。ずっとなんです。でも、だから(芸能活動を)辞めてないの。もし思い通り上手にできて満足していたら、私はとっくに辞めていたと思います。もっと上手に、もっと胸を張ってやりたい、という思いがずっとあります。

 〈会心の出来を探し続けてきた〉

 そう! 本当にそうです。歌も、お芝居も、探し続けて「今度こそ、リベンジ」という思いでここまで来ました。

※次回は1週間後にUPします

 【みなみの・ようこ】1967年生まれ、兵庫県出身。85年に「恥ずかしすぎて」でデビュー。ヒット曲に「吐息でネット」「はいからさんが通る」など。主な出演作はドラマ「スケバン刑事☆(ローマ数字2)」、映画「私を抱いてそしてキスして」。「ナンノ」の愛称で知られる。

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