長野県軽井沢町で静養中の上皇ご夫妻は２３日、戦後に中国の旧満州から引き揚げてきた人たちが入植した大日向開拓地を訪れ、野菜畑を散策された。ご夫妻は開拓で苦労した人たちを長く気にかけ、軽井沢での静養の際は足を運んでいる。

　ご夫妻は、手をつないで畑に到着した。上皇さまはキャベツの生育具合に「ずいぶんよく育っているね」と話し、上皇后美智子さまは晴れた空を見上げて「真っ青な空ね」と笑顔を見せた。

　大日向開拓地は戦前に旧満州に移住した人のうち、長野県の旧大日向村出身者らが開いた。村からは約７６０人が旧満州に渡ったが、敗戦後に強いられた難民生活などで約３７０人が犠牲になったとされる。