前教育長「懲戒」相当 職務を逸脱、処分対象19人
2024/08/23/16:38
横浜市教育委員会が教員による性犯罪事件の裁判に職員を動員して一般の傍聴を妨害していた問題で、横浜市は23日、動員の実施を決めた前教育長の鯉渕信也氏に減給10分の1(3カ月)の懲戒処分に相当するとの文書を渡した。市教委も職務の範囲を逸脱する行為と認定、関与した幹部ら11人を戒告の懲戒処分や文書訓戒処分とし、退職者ら7人を戒告相当などとした。鯉渕氏を含む対象者は計19人に上った。
市は「法律に違反する行為で、教育長という立場でありながら順法精神に欠けた」としている。鯉渕氏は相当額を自主返納する意向で「保護者らの要望を受けたものだが、法律的な検討が十分にされず、誤った判断に基づいた」などとコメントした。
また市教委は、職員の処分理由は、動員が(憲法が定める)公開裁判の原則の趣旨に反しているとした上で、教育委員会の職務の範囲を逸脱し、地方教育行政法に違反するためとした。
市教委の処分対象となったのは、2023~24年度の裁判で協力依頼をした学校教育事務所長4人(いずれも戒告)の他、依頼を受けて動員に関与した教職員人事部長(文書訓戒)や人権健康教育部長(同)ら。