能登半島地震で被災した石川県輪島市河井町の重蔵神社で23日、「輪島大祭」の一つ「夏季大祭」が開かれた。神社は本殿や鳥居が壊れ、周辺の道路には深い亀裂が残る。開催が危ぶまれたが、地域を結ぶ伝統行事を望む声は強く、実施にこぎ着けた。市外に避難する住民も大勢集まり、巨大な灯籠「キリコ」が、被災した町を巡行した。
祭りに合わせて毎年、市出身者が帰省し、キリコを担いできた。神社の禰宜能門亜由子さん(48)は「今祭りを開催しないと町の元気がなくなり、人のつながりもさびれてしまうと思った」と話した。
本来2日間の日程を1日とし、巡行ルートも安全性などを考慮して短縮した。