埼玉新聞

 

埼玉の三大銘菓の“せんべい”悲鳴…コメ17%高騰 草加せんべいの消費減が心配 海外米に切り替えた店、価格が下がれば国産米に戻したい…逆に上がってしまい「本当に困る」

  • 草加せんべいを手焼きしている様子

    草加せんべいを手焼きしている様子

  • 草加せんべいを手焼きしている様子

 総務省が23日発表した7月の全国消費者物価指数でコメ類が前年同月比17・2%上がり、20年ぶりの上昇率となった。昨夏の猛暑でコメに高温障害が発生し、市場に出回る量が減ったことや、今年の新米が本格的に流通していないことから需給が逼迫(ひっぱく)して価格が高騰した。電気代も政府の補助金終了に伴い、22・3%上昇して43年ぶりの伸び率となり、物価高による支出増が家計を圧迫する状況が続いている。

■せんべい店主「本当に困る」

 埼玉県東部のせんべい店は6月から、せんべいに使うコメを国産米からカリフォルニア米に切り替えた。経営者の男性は「国産米に戻そうとコメの価格が下がるのを待ち続けているが、逆に上がってしまった。せんべいで一番使う原材料なので本当に困る」と嘆息する。物価高を受け、せんべい自体の値上げは昨年行っており、「これ以上の値上げは当分できない」。

 埼玉の三大銘菓にもせんべいは入っている。「草加せんべい」を扱う26事業者が加盟する草加せんべい振興協議会事務局の草加市産業振興課は「価格転嫁により草加せんべいの消費量が減ることも考えられる。引き続き応援してもらえるよう、味や品質についてしっかりPRしていきたい」と話した。

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