山梨側に効果、静岡側は迷惑続く 富士山規制、統一ルール求める声
2024/08/26/05:00
富士山は山梨県側で入山規制が始まり、1カ月半が経過した。登山道の混雑解消や夜通し登る「弾丸登山」を防ぐためで、夜の登山者は大幅に減った。例年ピークとなるお盆期間も屋外での仮眠などは目立たず、関係者は「効果を実感した」と話す。規制がない静岡県側は登山者の迷惑行為が続き、識者は「統一的なルールを作る必要がある」と指摘する。
山梨県は7月に吉田ルートの5合目で規制ゲートの運用を始めた。通行料2千円を義務付け、山小屋の宿泊予約者以外は午後4時から翌午前3時まで通れなくなった。1日当たり上限4千人を超えた場合も閉鎖する。
環境省の調査では、7月1日から8月13日までの登山者数は山梨側が前年より12%減り、7月10日に開山した静岡側3ルートは7%増えた。
静岡県は社会実験として、任意で登山計画を事前登録するシステムを導入した。午後4時以降、山小屋に宿泊予約していない人に登山の自粛を呼びかけるが、予約していなくても通行できる。
静岡側8合目の山小屋「池田館」周辺では、夜に屋外で仮眠する人が相次いでいるという。