敦賀原発2号機、初の審査不合格 規制委、再稼働認めず
2024/08/28/12:00
原子力規制委員会は28日の定例会合で、日本原子力発電敦賀原発2号機(福井県)が原発の新規制基準に適合せず、再稼働の条件となる審査に不合格とする「審査書」の案を了承した。一般からの意見公募を1カ月間実施し、10月以降に正式決定する。不合格は2012年の規制委発足後初となる。原電は東海第2原発(茨城県)と合わせ、所有する2基とも再稼働できない状態が長期化する。
審査書案によると、原子炉建屋から北約300メートルにある「K断層」が活断層で、建屋直下まで延びている可能性が否定できないと判断。活断層の上に原子炉など重要施設を設置してはならないと定めた新基準に適合しないと結論付けた。活動性などを否定した原電の主張には明確な証拠がなく、安全側に評価していないとして退けた。
会合で山中伸介委員長は「断層問題に論点を絞り、かなり丁寧に時間をかけて審査した。技術的に判断ができる状況だ」と総括。5人の委員全員が不合格を了承した。会合後に記者会見した山中氏は「大きな判断だったが迷いはなかった」と述べた。