1歳男児が死亡…靴を履かず、明け方前の国道で流血 家で寝たはずの男児、両親が外出中に路上へ…トラックにはねられる 両親が子を探し…去った運転手を逮捕「白い何かとぶつかった」その後、理由不明の不起訴に
さいたま地検熊谷支部は27日、ベトナム国籍の男児(1)をトラックではねて死亡させたなどとして逮捕された神奈川県海老名市の会社員男性(58)について、不起訴処分とした。処分理由は明らかにしていない。
男性は3月8日、埼玉県東松山市砂田町の国道でトラックを運転中に路上にいた男児と衝突して死亡させ、救護措置を取らずに現場から逃走したとして、自動車運転処罰法違反(過失致死)と道交法違反(ひき逃げ)の疑いで、3月9日に県警に逮捕されていた。
■「人とは思わなかった」(以下、逮捕時の記事)
東松山市の国道で市内に住むベトナム国籍の男児(1)がはねられ死亡したひき逃げ事件で、県警は3月9日、自動車運転処罰法違反(過失致死)と道交法違反(ひき逃げ)の疑いで、トラックを運転していた神奈川県海老名市、会社員の男(58)を逮捕した。
逮捕容疑は8日午前5時15分ごろ、東松山市砂田町の国道407号でトラックを運転し、南から北へ進行中、路上にいた男児と衝突して死亡させ、救護措置を取らず逃走した疑い。調べに「人とは思わなかった」と容疑を否認しているという。
県警によると、同日午前6時ごろ、現場から北へ9キロ離れた場所から「ガードレールに接触する物件事故を起こした」と男から110番があった。警察官が車を確認し、ガードレールと接触した事故以外の破損が認められたため、事情を聴くと「白い何かとぶつかった」と答えたという。その後、本人の供述や車両の状況などから、ひき逃げへの関与を特定した。
男は勤務中だったとみられ、県警が当時の詳しい状況を調べている。
■見通し良い直線道路、1歳11カ月の命(以下、男児発見時の記事)
3月8日午前5時24分、東松山市砂田町の国道407号で、通行していたトラック運転手の男性(49)から「道路上に赤ちゃんが倒れている」と110番があった。東松山署員が駆け付けると、現場付近に住むベトナム国籍の1歳11カ月の男児が頭部から血を流して倒れており、搬送先の病院で死亡が確認された。
県警は、現場の状況などから死亡ひき逃げ事件と断定して捜査。付近を走行していたとみられる別のトラック運転手の50代男性が何らかの事情を知っているとみて聴取している。
現場は片側2車線の見通しのよい直線道路。県警によると、男児は南(川越方面)から北(熊谷方面)に向かう歩道側の車線の中央に倒れており、頭を負傷し出血していた。男児の自宅は現場付近で1歳11カ月の幼児が1人で歩いて行ける距離だという。靴は履いていなかった。
県警は現場での救護活動中に「家から子どもがいなくなった」と話していた30代の父親と20代の母親=いずれもベトナム国籍=から事情を聴取、「子どもが寝ていたので妻の職場に送迎していた」などと説明しているという。県警は送迎中の短時間に男児が一人で出て行った可能性を視野に、経緯や当時の詳しい状況を調べている。