埼玉新聞

 

亡き弟、3歳で白血病に 小5の姉、さいたまで友人と募金活動「闘病の子、一人でも多く家族と過ごして」

  • 来場者にレモネードを手渡す谷川ほずみさん(中央)=18日午後、さいたま市緑区

    来場者にレモネードを手渡す谷川ほずみさん(中央)=18日午後、さいたま市緑区

  • 来場者にレモネードを手渡す谷川ほずみさん(中央)=18日午後、さいたま市緑区

 小児がんの支援活動「レモネードスタンド」が18日、さいたま市緑区で開かれ、弟を小児がんで亡くした少女が、来場者にレモネードを提供した。新型コロナウイルスの影響で活動が制限される中、「多くの人に病気のことを知ってほしい」という願いで活動を続けている。

 「レモネードを配布しています。募金へのご協力もお願いします」。さいたま市緑区で開かれた自治会のイベント「大門美園ジュニアスポーツフェスタ」の会場の一角で、来場者にレモネードを手渡す、小学5年の谷川ほずみさん(10)。友人とおそろいのエプロンに書かれた「みぃみのレモネードスタンド」の文字は、急性骨髄性白血病で亡くなった弟・瑞騎くん=当時(3)=の愛称「みぃみ」から名付けたものだ。

 レモネードスタンドとは、米国発祥のチャリティー活動。集まった寄付金は小児がんの研究や支援に役立てられている。

 ほずみさんが活動を始めたのは、瑞騎くんが亡くなってから半年後の2017年夏。以降、地域のイベントや保育園でのバザーなどで活動を続けてきた。

 しかし、昨年は新型コロナウイルスの影響が直撃。思うように活動ができず、感染対策の面から提供するレモネードも、手作りからペットボトルの商品に切り替えた。

 「自分の手で作ったものを提供できないのは残念」とほずみさん。活動の機会は減ってしまったが、「なぜこの活動をしているのか伝えたい」と、弟を亡くしたことやどんな病気だったのかを説明したチラシを作り、レモネードと一緒に手渡した。

 活動は昨年の11月以来、約5カ月ぶり。「久しぶりで少し慣れない」と戸惑いながらも、「小児がんと闘う子が一人でも多く、家族と一緒に過ごせるように、これからも活動を続けていきたい」とほほ笑んだ。
 

ツイート シェア シェア