<新型コロナ>宣言解除後、まん延防止など段階的な緩和が必要 大野知事「制限ない状態にするべきでない」
県は21日、新型コロナウイルスの専門家会議を開き、大野元裕知事は30日までが期限の緊急事態宣言について「仮に解除となった場合も、全て何の制限もない状態にするべきではないと専門家の意見が一致した」とし、宣言解除後も「まん延防止等重点措置」など、今後の感染拡大防止のため、段階的な緩和措置が必要となるとの考えを示した。
緊急事態宣言が出されている県内では30日までを期限とし、酒類を提供する飲食店に休業を要請するなど、感染拡大防止措置が行われている。
今回の会議では、現在の感染動向への評価や、宣言が解除された場合に必要となる対応などについて諮問。知事は「30日の期限を前に、現状、(新規感染者、確保病床使用率が)さらに下がってくるのであれば当然、解除が視野に入ってくる」とし、来週の状況を見ながら再度、専門家の意見を求め、対応を検討したいとした。
会議に出席した県医師会の金井忠男会長は第5波の新規感染者が急激に下がった理由を「専門家の中にも分かる人はいない」としつつ、高齢者の重症化防止などで「ワクチンの効果は一定程度あったはず」と指摘。「今まで通り感染防止徹底を続けていただくのは当然のこと」とし、引き続きの対策が必要であるとの認識を示した。
20日時点の県内確保病床使用率は44・8%(837人/1868床)、うち重症は39%(92人/236床)となっており、国の判断ではステージ3(感染急増=20%以上)相当にあり、減少傾向にはあるものの、依然として高い水準にある。
また、知事は病床使用率が下がりつつあることから、症状や基礎疾患の有無などで判断する入院調整の基準を引き下げ、より入院しやすい運用とすることを発表。自宅療養基準については基礎疾患がない無症状者であることなど、県の基準を国の基準と合わせることも発表した。