埼玉新聞

 

消費者の財布にも、埼玉県内で野菜価格が高騰 長雨と日照不足で生育遅れ…落ち着き見込むも、台風を不安視

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 県内で野菜の価格が高騰し、消費者の財布に影響を与えている。葉物野菜の価格が8月から上昇。主産地の長雨による日照不足、8月中旬以降の天候不順による収穫量の減少が影響している。農業関係者は産地の切り替えなどで価格が落ち着くと見込むも、台風の襲来による影響を不安視する。

 9月17日時点での東京都中央卸売市場での卸売価格は、トマトは昨年の9月18日時点と比べ1・7倍、ナスは1・6倍、タマネギは1・6倍、レタスは3・0倍、白菜は2・5倍、バレイショは1・3倍に上昇。前月20日時点比では、ピーマンとトマトが1・7倍、ナスは1・4倍、キャベツは1・5倍、バレイショとニンジンは横ばい、レタスは2・4倍、白菜は3・7倍と上昇した。

 高値の背景は天候不順で、葉物類は日照不足が響く。県内の卸売市場関係者はレタスの高騰要因を「群馬県や長野県など高冷地産地での急激な温度変化と降雨の影響による出荷品質の悪化や出荷量の低下」を挙げる。長野県では8月中旬の大雨の後に病害などが発生し、出荷量に影響している。

 バレイショは「記録的ともされる、7月以降の北海道の記録的な高温と少雨による干ばつで生育が進まず小玉傾向になり、出荷量が減った」と説明。タマネギも雨不足で小さいものが少なくないとする一方、ニンジンは「影響は少なく回復も早いのでは」と予測した。バレイショについては、来春に産地が九州に移るまで高値圏が続くのではとみる関係者もいる。

 日本政策金融公庫さいたま支店農林水産事業の白石哲也統轄は「長雨と日照不足で葉物類などの生育が遅れた影響で、出荷量が減り値上がりしている。関東など産地が移っていけば、相場は落ち着く方向に向かうのではないか」とみる。ただし「台風の有無によっては10月以降の価格状況が変化する可能性もある」と指摘した。

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