埼玉新聞

 

夕方ATMで慌てて電話する女性…詐欺疑った女性が電話代わり「警察に行く」と話すと電話切れる 還付金の詐欺を未然に防ぐ 勇気ある行動に称賛

  • 岩崎英紀署長(右)から感謝状と功労者証を受け取る黒川静さん=8月27日、草加市

    岩崎英紀署長(右)から感謝状と功労者証を受け取る黒川静さん=8月27日、草加市

  • 岩崎英紀署長(右)から感謝状と功労者証を受け取る黒川静さん=8月27日、草加市

 還付金詐欺被害を防いだとして、草加署は8月27日、草加市のパート従業員黒川静さん(50)に感謝状を贈った。また、詐欺被害を水際で止めた一般の市民に贈られ、協賛する飲食店などで3回まで優待が受けられる「功労者証」も同署で初めて贈られた。

 黒川さんは先月5日午後4時20分ごろ、市内の金融機関で、慌てた様子で携帯電話で通話する70代女性を見て特殊詐欺を疑った。電話を代わり「詐欺ではないか」と問いただすと、市役所職員を名乗る男が「詐欺ではないです」と落ち着いて答えたが、会話を続けると時折怒った様子を見せた。「今から警察に行くから電話をつないだままにして」と要求すると、男は「かけ直す」と電話を切り、その後つながらなくなったという。

 黒川さんは「詐欺と分かり女性は動揺して震えていたが、最後に『ありがとう』と言われて報われた」と話す。また以前、身近な人が詐欺被害に遭ったとして「前回も今回も、犯人は銀行窓口の時間外の夕方を指定して『ATMを予約している』とせかしている。平日の夕方のATMは特に警戒が必要」と指摘した。

 同署の岩崎英紀署長は「金融機関やコンビニ店員以外の人による防止は珍しい。勇気ある声かけに感謝する」と謝意を示した。

ツイート シェア シェア