埼玉新聞

 

還付金詐欺を阻止…銀行員2人に感謝状 「医療費還付金の手続きに」と男性が話し、詐欺疑う お店に来る前にATMで操作に失敗、実は特殊詐欺防止のため振り込みを一時的に制限するシステムが機能していた

  • 右から山本靖子さん、坂本由香里さん、佐藤拓也大宮署長=8月20日午後、大宮署

    右から山本靖子さん、坂本由香里さん、佐藤拓也大宮署長=8月20日午後、大宮署

  • 右から山本靖子さん、坂本由香里さん、佐藤拓也大宮署長=8月20日午後、大宮署

 特殊詐欺を未然に防いだとして、大宮署は8月20日、武蔵野銀行大宮北支店の窓口課長坂本由香里さん(39)と窓口担当山本靖子さん(53)に感謝状を贈った。

 同署によると、2人は7月11日午前9時ごろ、同支店の開店を待っていた70代男性に「市役所からの電話で医療費還付金を受ける手続きに来た」と言われたことから特殊詐欺を疑い、連携して同署に通報し詐欺を防いだ。

 男性は7月上旬ごろから市役所職員などをかたる人物から還付金の話を持ちかけられており、同支店を訪れる数日前にも商業施設のATMを操作するよう指示されたが、操作に失敗していたという。武蔵野銀行では70歳以上で過去3年間に口座振り込みがない利用者に対して、特殊詐欺防止のため振り込みを一時的に制限するシステムが導入されており、男性の口座に対しても、同システムが機能。今回の被害防止につながった。

 坂本さんは「被害を防止できたことは店としても喜ばしい」、山本さんは「これからもお客さまに寄り添った対応をしたい」と笑顔を見せた。

 同署の佐藤拓也署長は「適切な声かけと速やかな通報で水際で被害を防止していただき感謝している。今後も金融機関と連携を密にしていく」と意気込んだ。

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