小鹿野町と秩父市吉田地域（旧吉田町）を管轄している小鹿野警察署（小鹿野町小鹿野）が廃止され、秩父警察署（秩父市上宮地町）へ統合する計画が進められていることが8月30日、分かった。同日に小鹿野町役場で開かれた町定例記者会見で配布された資料「9月定例会一般質問通告書」に統合に関する記載があり、明らかになった。同資料によると、9月4日に開かれる同町議会定例会一般質問で町議が、小鹿野署の廃止と秩父署への統合計画について、森真太郎町長へ今後の対応方針を問う予定。

　小鹿野署の廃止計画について、森町長は会見で「私や秩父市長、議員は、すでに説明を受けていたが、計画過程ということもあり、まだ公にする予定はなかった。今回の一般質問要綱に挙がったことで、公表せざるを得なかった」と説明。町としての今後の対応については「秩父市長と相談した結果、廃止反対の方向で、県知事、県議会議長、県警本部長に対して要望活動を行っていく予定」と語った。

　小鹿野署は、地域の安全を守る傍ら、秩父署員と山岳救助隊を構成し、県内の山岳遭難事故の対応も担っている。また、2011年10月8日に同市吉田石間の林道で起きたトラックとバイクの死亡事故以来、死者を伴う交通事故が未発生で、県内39署の最長記録を更新し続けている。30日現在、同署管内での交通死亡事故ゼロ継続は4709日目。

　県警は、小鹿野署が秩父署に統合されることについて「検討していることは事実」とした上で「検討段階なので、詳細なコメントは差し控えたい」とした。