環境省は6日、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出開始後、周辺の海水や水産物に含まれる放射性物質を1年間測定した結果について「人や環境への影響がないことを確認した」と総括し、同省の専門家会議で報告した。測定した海水中のトリチウム濃度は1リットル当たり最大5ベクレルで、世界保健機関(WHO)の飲料水基準1万ベクレルを大きく下回った。
同省によると、海水に含まれるトリチウムなど放射性物質計62種類の濃度は、いずれも検出下限値未満か過去の変動の範囲内だった。今後も測定を続ける方針。
東電は昨年8月に海洋放出を開始。これまでに8回、計約6万2600トンの処理水を放出した。