大河・青天を衝けの音楽、埼玉・深谷の小学生が演奏し収録 渋沢栄一の精神、演奏通じ全国に 放送予定は
深谷市立常盤小学校(柴崎千穂校長)の6年生が9月29日、大河ドラマ「青天を衝(つ)け」で使われる音楽の収録に臨んだ。コロナ禍で行動が制約される中、夏休み前から自宅やオンラインで練習を積み重ね迎えた本番当日。郷土の偉人・渋沢栄一の誇りを胸に唯一無二の音色を奏でると、最後にはうれしいサプライズが発表され、学校生活の思い出に残る一日となった。
今回はドラマ本編直後に、ゆかりの地などを紹介する「青天を衝け紀行」の音楽演奏を収録。NHK側から深谷市側に協力の打診があり、吹奏楽部や鼓笛隊がある市内の小中学校を探したところ、常盤小学校が選ばれた。
6年生の生徒106人は、ドラムやアコーディオン、リコーダー、鍵盤ハーモニカなど計16のパートに分かれて楽器を担当。今回のために作曲家の上野友裕氏が編曲した、「青天を衝け 深谷市立常盤小学校鼓笛隊スペシャルバージョン」の楽譜を7月上旬にもらい、練習に励んだ。
夏休み期間中は緊急事態宣言の影響で、集まることができず自宅での個人練習が中心に。各パートごとのオンライン練習などを経て、直前には感染対策を徹底して全体練習を行うなど、収録に向けて演奏に磨きをかけてきた。
本番当日は、テーマ音楽を作曲した佐藤直紀氏が駆け付け収録の様子を見学。指導を続けてきた上野氏の指揮の下、生徒たちは真剣な表情で練習の成果を発揮した。佐藤氏は「気持ちが乗った素晴らしい演奏だった」と感激。そして「青天を衝け」のサウンドトラックCDに収録されることがサプライズ発表されると、生徒からは歓声が上がった。「楽しんで演奏する様子が印象的だった。今日が良い思い出になってくれたらうれしい」と伝えていた。
テナードラム(中太鼓)を担当した立部諒馬さんは「音の強弱を意識した。気持ち良く演奏できた」と満足げ。荻原愛子さんは「今回のためにアコーディオンを練習した。演奏するのは大変だったけど、うまく音が出せてよかった」と笑顔を見せた。
柴崎千穂校長は「コロナ禍で学校行事が延期や規模縮小となる中、今回の企画で改めて子どもたちの力に感動した。渋沢栄一翁の精神を、この演奏を通じて全国にお届けできたら」と話していた。
収録した演奏は12月以降に放送される予定。