【ワシントン共同】米大統領選で、民主党ハリス副大統領と共和党トランプ前大統領が初めて直接対決する候補討論会が１０日に迫った。ニューヨーク・タイムズ紙によると、ハリス氏はホテルにこもり、模擬舞台を用意して討論の特訓を重ねている。対照的にトランプ氏は得意の即興的な対応を重視しているようだ。

　ハリス氏は服装を似せたトランプ氏役を相手に論戦を繰り返している。トランプ氏は側近たちと討論の練習はしているが、ハリス氏を演じる役は特にいないという。各地を回って通常通りの選挙運動も続けている。

　ハリス氏の戦略は、自らを冷静で大統領にふさわしいと見せると同時に、トランプ氏の攻撃的な側面を引き出すことに重点を置く。討論会でマイクを常に消音しないよう一時求めていたのはトランプ氏の発言妨害や暴言を引き出す狙いだった。

　トランプ氏はバイデン大統領との６月の討論会でも事前準備に時間を割かなかった。アドリブが得意なトランプ氏だが、陣営関係者はトランプ氏がハリス氏の術中にはまって人格攻撃や差別発言を繰り出さないか懸念している。