岸田新内閣が発足 埼玉の政界から歓迎の声と厳しい批判「課題解決や改革に期待」「行き詰まった政治」
岸田文雄首相(64)は4日、官邸で記者会見を開き、次期衆院選の日程を19日公示、31日投開票にすると表明した。臨時国会会期末の14日に衆院を解散する。岸田氏は衆参両院本会議での首相指名選挙で第100代首相に選出され、皇居での首相任命式と閣僚認証式を経て自民、公明両党連立による岸田内閣が発足した。
岸田文雄新内閣の発足に、県内政界からは「改革への取り組みに期待」「リーダーシップに期待」と歓迎の声がある一方、「説明責任を果たすことを望む」「新しい政治は生まれない」など厳しい批判も聞かれた。
自民党県連会長の柴山昌彦衆院議員(埼玉8区)は「バランス感覚に優れ、敵をつくらない人格者。これからは日本の課題解決や改革に取り組んでいくことを期待している」と展望した。組閣については「老壮青のバランスが取れた人事。抜てきされた若手は皆優秀。チームで対応していきたい」と評価。また、衆院選を今月31日投開票とする意向を固めたことには「驚いた。準備期間が短いのは誰にとっても同じこと。全力を尽くし、県内全候補の当選を目指す」とした。
連立与党を組む公明党県本部代表の西田実仁参院議員(埼玉選挙区)は「自公連立政権合意を前に進めるべく、岸田首相のリーダーシップに期待」とし「老壮青のバランスが取れ、実力者を要所に配した」と評価。衆院選については「任期やコロナ感染状況からの首相の判断。引き続き自公政権に委ねていただけるよう、公明党の勝利に向かい一瀉千里(いっしゃせんり)に突き進む」とした。
一方、立憲民主党県連代表の大島敦衆院議員(埼玉6区)は「与野党議論に耳を傾け、国民に説明責任を果たす首相であることを望む」と注文。「わが国を取り巻く国際情勢や国内の課題に変化は生じていない」とし、「集う議員は、与えられた任期の間は真摯(しんし)に、内外の課題に向き合うべき」と国政のあるべき姿を強調した。衆院選日程については「本来であれば予算委員会などを開き、議論してから解散すべき」と、議論と説明が必要だったことを指摘。「解散するからにはしっかりとわれわれの政策を国民に訴えたい」とした。
「岸田首相は安倍・菅政治を中枢で支えた人。行き詰まった政治の枠内で新しい政治は生まれない」。共産党県委員会の荻原初男委員長はこう批判。党や閣僚の人事には「党幹事長に『政治とカネ』問題で説明責任を果たしていない人を据えるなど、『自民党は生まれ変わる』の言葉とは全く逆さま」と指摘した。衆院選については「党として初めて政権交代を目指す選挙」とし「比例代表を軸に躍進し、市民と野党共闘で勝利する」と力を込めた。