東電、デブリ取り出しに着手 事故後初、廃炉は新段階へ
2024/09/10/08:55
東京電力は10日、福島第1原発2号機の溶融核燃料(デブリ)の試験的取り出しを始めた。2週間程度をかけて格納容器内からの少量の採取を目指す。8月22日に準備作業を開始したがパイプの並び順を誤るミスが判明し、中断していた。採取作業は2011年3月の事故後、初めてで当初計画の21年から3年遅れでの着手となった。デブリは極めて強い放射線を出し、取り出しは廃炉の最難関とされる。
国と東電は10日、廃炉は工程表で最終段階に当たる「第3期」へと移行したと明らかにした。林芳正官房長官は同日の記者会見で「今後、廃炉の根幹となる最も困難な作業段階に入る。国としても着実な廃炉に向け、最後まで責任を持って対応する」と述べた。
計画では、原子炉格納容器の貫通部からパイプ式装置を差し込み、爪形の器具でデブリをつかんで回収する。
東電は10日午前6時半過ぎ、中断していた準備作業を再開。約1・5mのパイプを接続して装置を押し込み、午前7時20分に貫通部手前で放射性物質を遮断する「隔離弁」を通過させ、採取に着手した。