埼玉新聞

 

珍しい子連れイノシシの撮影に成功 埼玉・加須などの渡良瀬遊水地で相次ぐイノシシ目撃 「注意」の看板も

  • 渡良瀬遊水地のヨシ原から出現したイノシシの親子=栃木県栃木市藤岡町(斎藤陽一さん撮影)

 加須市をはじめ、栃木、群馬、茨城の4県の県境にまたがる渡良瀬遊水地で、イノシシの目撃情報が相次いでいる。群馬県板倉町の斎藤陽一さん(67)は9月17日午前9時すぎ、子供広場(栃木県栃木市藤岡町)近くのヨシ原でイノシシの親子4頭に遭遇し、写真撮影に成功した。

 「植物や野鳥を観察するつもりで歩いていたところ、左側のヨシ原からガサガサと音がした。20メートルほど先回りしてヨシ原がなくなる場所で待っていると、イノシシの親子が出現した」と斎藤さん。

 ウリ坊と呼ばれる子どものイノシシ3頭が地面をほじって採餌。親は人の気配に気付いて警戒した。ウリ坊も気付いて先にヨシ原に飛び込むと、親も続いたという。斎藤さんは「子連れイノシシは珍しい。とっさに写真を撮った」と振り返った。

 渡良瀬遊水地は、面積が約33平方キロメートル(東京ドームの700倍)。自然環境が保全されていて、広大なヨシ原が広がっている。イノシシは2019年10月の台風19号の時、泳いでいる姿を目撃されている。今年も目撃情報が相次いでいて、「イノシシ注意」の看板も立てられている。

 斎藤さんは「ここ渡良瀬遊水地は野生動物の宝庫でもある。イノシシの親子とは4度ほど遭遇している。驚かせないようにして、静かに見守りたい」と話した。

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