埼玉新聞

 

埼玉で震度5強、3・11以来の観測 3人重傷…家族との連絡方法や身の守り方の確認を、県が備え呼びかけ

  • マンホールから水があふれ、周辺道路が水浸しになる。現場には不安げな様子の住民の姿も=8日午前0時3分、川口市末広3丁目

 7日午後10時41分ごろ、千葉県北西部を震源とするマグニチュード5・9と推定される地震が発生し、埼玉県内でも川口市などで震度5強を観測、3人が揺れによる転倒などで重傷を負った。気象庁によると、県内で震度5強以上を観測するのは2011年3月11日の東日本大震災以来。同庁は、今後1週間に同程度の地震が発生する可能性があるとして注意を呼び掛けた。県は地震発生と同時に危機管理防災部内に災害即応室を設置し、情報収集に当たった。

 県災害対策課によると、8日午後5時までに報告のあった県内の人的被害は重傷3人、軽傷者10人。川口市では80代女性がソファから転落し腰椎を圧迫骨折し、同市の72歳女性は避難のため、玄関の扉を開けた際に左大腿部(だいたいぶ)を骨折する重傷を負った。富士見市では60歳女性が右上腕を骨折する重傷。ほか、さいたま市で3人、川口市で5人、蕨市、三郷市で各1人が階段での転倒、ベッドからの転落、家具転倒などで軽傷を負った。

 ライフラインでは電気、ガス、通信に被害情報はなかった。水道は川口市東本郷、桜町地内、三郷市茂田井、上彦名、駒形地内の5カ所で漏水があったが、いずれも8日中に復旧予定。国道、県道で通行止めの情報はなく、市管理道路では幸手市惣新田の中川に架かる高平橋で橋に亀裂が生じて通行止めとなり、復旧は未定。また、草加市では住宅火災1件が発生したが、出火原因は地震によるものではなかった。

 同課は「改めて情報収集や家族との連絡方法、発生時の身の守り方を確認し、今後に備えてほしい」と呼び掛けている。

 県内では震度5強を川口市、宮代町で観測。震度5弱はさいたま、加須、鴻巣、草加、蕨、久喜、八潮、三郷、幸手、吉川各市。

 さいたま市によると、中央区、浦和区、南区で10代男性、70代女性、80代女性の3人が軽傷を負った。地震の影響で落下した時計が頭部に当たったり、地震に慌ててドアガラスに膝をぶつけたりして、救急搬送されたという。震度5弱を記録した緑区の店舗でスプリンクラーが破損した。

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