京都大などの研究グループは、人工多能性幹細胞(iPS細胞)や胚性幹細胞(ES細胞)から体内で実際にある形に似た多層構造を持つ小腸組織の再現に成功したと、13日までに米科学誌「セル・ステム・セル」電子版に発表した。小腸の多層構造を生体外で作ることができたのは初めて。
京大の高山和雄講師は、炎症性腸疾患など、今回再現に成功した多層構造部分がダメージを受けて引き起こされる疾患を挙げ「疾患を再現し、創薬を展開していきたい」と話した。
これまで、iPS細胞などから作製された組織は、主に小腸の上皮層のみで構成されたものにとどまり、多層構造の再現が課題とされていた。