「豊かな埼玉をつくる県民の集い・2024新年賀詞交換会」(埼玉新聞社主催)が5日、さいたま市大宮区のパレスホテル大宮で開かれ、県内の政財界や文化界、スポーツ界関係者ら約900人が出席した。冒頭、元日に発生した能登半島地震の犠牲者らに黙とうをささげ、各界はさらなる発展を願い協力を誓った。(順不同)
各界の出席者語る
県物産観光協会の桜井正道専務理事 県内各地域と連携しながら観光や物産の持続的成長を推進する。経済と環境の両立に加え、地域愛の醸成を図る。限られた人材や原資を有効に活用する「選択と集中」で結果を出す。
県酒造組合の松岡良治会長 コロナでライフスタイルが大きく変化し、ニーズも多様化してきた。県内の酒蔵は若い社長や杜氏(とうじ)に入れ替わっていて、新しいニーズに合わせたお酒を造っていきたい。
県遊技場景品流通商業組合の平林直行組合長 業界を取り巻く環境は厳しい状況が続いているが、いろいろな方法で打破したい。スマホゲームの普及に伴い、客離れが進んだ。キャッシュレス対応も始めなければならない。
中央デパートの木村和貴専務 来館者増などコロナ後の回復は見られるが、新規出店には至っておらず、地元企業さま、飲食店さまの元気に貢献したい。大宮駅東口と地域経済の活性化に寄与し、地域を盛り上げたい。
山田食品産業の山田裕朗社長 店舗の来店客数はコロナ前に戻った。今年は新生山田うどん元年としてスタートとなる年。老朽化した店舗のリニューアルを進めていて、来年度までに全体の8割をリニューアルさせる。
アールディーシーの青木崇執行役員マーケティング部CMO 新型コロナウイルスが5類に移行し、今年は年初から攻めていく。県内の良質な食材とコラボレーションしたメニュー提供をさらに増やし、店舗の海外進出も図る。
イオンリテールの針金健史北関東カンパニー東埼玉事業部長 年末年始の状況を見ると食品値上げやコロナ禍の影響から脱却し、新しい時代が始まったことを感じる。目の前のお客さま一人一人を大事にしていきたい。
デリモの栗田美和子社長 食品業界は厳しい状況が続いているが、時代や社会の変化が早くなってきているので、旧態依然では生き残っていけない。みんなで改善案を出しながら、それに全力で取り組んでいきたい。
オカムラ首都圏営業本部大宮支店の老川忠臣支店長 変化にはビジネスチャンスがある。コロナ下で下を向くのではなく市場や職場環境をチェックしビジネスが広がるきっかけになった。お客さまに合った提案を創出したい。
YKK AP埼玉支社の水野彰二支社長 お客さま向けにリアル開催で新商品や補助金のセミナーを開催できるようになった。リフォーム用の窓は年々需要が増加しており、需要に合った生産で良いスタートを切りたい。
三共木工の森田精一郎副社長 農業を始めて今年で7年目に入り、県内でも徐々に知名度が広がってきた。今後も農業の魅力をより広めたい。2月に川越でサツマイモをテーマにしたイベントがあるので、まずは成功させたい。
ホテルメトロポリタンさいたま新都心の桃谷健志総支配人 県外や海外からもお客さまが訪れ、にぎわった1年だった。今年はより多くのお客様にホテルでの生活を楽しんでほしい。地元企業と協力し埼玉の魅力を伝えたい。
連携を強化/改善全力で
埼玉弁護士会の尾崎康会長 弁護士会としては引き続き、子どもや困窮世帯など社会的弱者の基本的人権が守られるように取り組んでいく。女性や障害者、性的少数者への差別を根絶できるように対応していきたい。
立教大学の西原廉太総長 昨年開設のスポーツウエルネス学部など新座キャンパスに4学部ある。観光学部は県内の街歩きマップを製作し、コミュニティ福祉学部は県に政策提言を実施。今後も県と連携を強めたい。
埼玉県立大学の田中滋理事長 これから少子高齢化が急速に進み、学生人口の減少が予想される。そんな中でも選ばれ続ける大学でありたい。教育、研究、地域貢献の3本柱に磨きをかけ、愛される大学を目指す。
県子ども食堂ネットワークの東海林尚文代表理事 子ども食堂は単なる食提供の場でなく、最近は地域の見守りやにぎわい拠点に定着しつつある。食堂を始めたいという希望者も多いので、われわれもサポートしていきたい。
県PTA連合会の比嘉里奈会長 コロナが終わったが、対面なのかオンラインなのかまだ手探りの状態が続いている。未来をつくる子どもたちのためにも、時代の流れの先頭に立って、常に進化を続けていきたい。
県立春日部高校同窓会の種村隆久会長 同窓会はヨーロッパを含む37の支部がある。会員は愛校心の塊のような人ばかり。若い人の力も借り、多世代の縦のコミュニティーを大事にした〝未来志向の同窓会〟を目指したい。
社会福祉法人熊谷福祉の里いちご保育園の中村洋子園長 企業内保育所を2019年に設置し、女性が安心して子どもを預けられるような体制を取ってきた。今年も働くパパ・ママの応援団として、より明るい一年にしたい。
彩の国総合教育研究所の畠山清彦理事長 昨年は設立10周年の節目だった。これまでの取り組みを続けるとともに、増加している不登校の無料相談会に一層力を入れたい。児童養護施設の入所者への学習支援も進めていく。
共同通信社の井原康宏専務理事 戦争のない社会、世界に少しでも近づけるように、報道を通じた世論形成に貢献しなければならない。年始から大きな災害や事故が続発したが、検証や教訓を後世に伝えることも使命と考える。
NHKさいたま放送局の長谷英里子局長 2月にNHKさいたま放送局は開局80周年を迎え、川口市でイベントも行う。人の暮らしや命を守る報道の基本を押さえつつ、皆さまに身近に感じてもらえるようにしたい。
テレビ埼玉の川原泰博社長 今年は45周年の年。より地域の皆さんに有益で正しい情報が届けられるように思いを新たにしたい。テレビを通じて見ていただいた方に勇気や元気のお力添えができる報道ができたらと思う。
知識生かす/感動届ける
県芸術文化振興財団の加藤容一理事長 今年は3月に彩の国さいたま芸術劇場がリニューアルオープンし、開館30周年も迎えるメモリアルイヤー。多くの人に足を運んでもらい、埼玉の文化芸術を知ってほしい。
さいたまアリーナの三上浩嗣社長 稼働率はコロナ前の近くまで戻ってきている。さいたまアリーナから活力、元気、熱狂、感動を県民の皆さまに届けたい。人が行き交う辻の役割もしっかりと果たしていければ。
県スポーツ協会の久保正美専務理事 今年は何といってもパリ五輪・パラリンピックの年。既に出場内定している選手もいるが、協会としても50人くらいの県勢選手を送り込みたい。スポーツの力で埼玉県に元気を届ける。
県障害者スポーツ協会の重田博副会長 今年で協会設立20周年。昨年は埼玉国体と全国障害者スポーツ大会の合同結団式を行うなど、パラスポーツを巡る環境が変わってきた。スポーツを通じた共生社会を推進したい。
県サッカー協会の鈴木茂会長 WEリーグやACLの優勝は良かったが大宮のJ3降格などは残念だった。県民のサッカーへの関心が高く心強く思っている。今年は絶対に佐賀県で開催される国民スポーツ大会で結果を出したい。
県浦和競馬組合の小島康雄副管理者 浦和競馬の「さきたま杯」がJpnⅠに格上げされ、6月に上半期のダート短距離王者の決定戦として開催される。若者やファミリー層のファンが増え、よりサービスを充実させたい。
県獣医師会の髙橋三男名誉会長 働きかけにより、昨年6月から国家ライセンス「愛玩動物看護師」を受けられるようになった。イヌやネコを中心に、人と動物が共生できるような社会をつくっていきたい。
県柔道整復師会の大河原晃会長 国家資格を持つわれわれの社会における立ち位置を確認し、できることをさらにアピールしたい。今後も続く高齢化社会においても、長年培った技術、知識を通して地域社会に貢献する。
JR東日本の森明執行役員大宮支社長 鉄道でお出かけをしてもらえるように利用促進を続けていくことを大切にしたい。一方、鉄道以外でも新しい価値を生み出し、地域を盛り上げ、収益力のある支社にしていきたい。
さいたま中央郵便局の新井敦局長 キーワードは感謝。創業以来お客さまからの信頼こそが、仕事の基本になっている。これからも地域により身近な存在となれるよう、本年も感謝の気持ちを忘れず業務に励みたい。
NTTドコモ埼玉支店の佐藤栄司支店長 スマートフォンが生活必需品となり、通信の確保はわれわれの使命であり、地域サポートは大きなキーワード。シニアの方も含め命を守り、生活維持の手段であるよう引き続き取り組む。
県新聞販売組合の山本敬組合長 災害時に配達スタッフの人命を守りながら、新聞を配るということについて改めて考えていきたい。高齢者の見守り活動に力を入れつつ、文字活字文化を広める活動もしていきたい。
組織一つに/強み明確化
埼玉労働局の久知良俊二局長 働き方改革の一環で労働基準法が改正され、今年4月から建設や物流業界などで新たな労働時間規制が適用される。円滑に進むように、社会全体の理解が広まるようにしていきたい。
県信用保証協会の飯島寛会長 公的な機関として、中小企業の経営、金融の2本柱で支援を行っている。来年はもう一度「ゼロゼロ融資」返済のピークが来るので、中小企業の皆さんに寄り添いながら対応していきたい。
埼玉りそな産業経済振興財団の増田賢一朗理事長 財団は昨年60周年を迎え、今年は次の60年へ向けた新たな一歩の年。日本経済に構造変化が起こるきっかけの年にしたい。オンリーワンの地域シンクタンクを目指す。
県雇用対策協議会の斎藤明男専務理事 節目となる60周年を迎え、6月には記念事業を計画している。県内企業では人手不足がさらに進行しており、一人でも多くの雇用を確保できるように、県内大学との連携も強化したい。
埼玉中小企業家同友会の米山正樹代表理事 昨年に創立50周年を迎えたが、中小企業には現在も厳しい状況が続いている。中小企業が知恵を出し合いながら、県内経済を活性化できるように頑張っていきたい。
県倫理法人会の小出操会長 会員には感謝の1年だった。設立40周年で初めて運動会を開催し、組織として一つになれた。一緒に勉強する仲間を増やし、感謝の気持ちを忘れずに組織で前進していく1年にしたい。
帝国データバンク大宮支店の若田部亨支店長 2024年問題があり、人手不足はより鮮明になってきた。中小企業が自社の強みを明確化するためのお手伝いに力を入れ、人材確保と収益改善、賃金上昇につなげたい。
日本公認会計士協会埼玉会の土屋文実男会長 昨年は産業界や学術会、政界などでコンプライアンスがたびたび話題となった。今年も引き続きその傾向が予想されるので、われわれの力で何か協力できればと思う。
関東信越税理士会埼玉県支部連合会の小野恭利会長 行政のDX化が一層進み、中小企業でも業務デジタル化がより必要になってくると思う。また少子高齢化の中で、若い世代の税理士を育てる仕組みも必要だと認識している。
県宅地建物取引業協会の飯田成寿会長 引き続き、県民の住生活環境の向上に取り組む。増加している空き家対策は特に重要で、無料相談会などを通じて空き家の利活用を図る。カフェにするなど、新たな使途の提案も必要だ。
県損害保険代理業協会の塩野忠会長 能登半島地震で穏やかな日常生活が一瞬にして失われた。埼玉では地震保険の加入率や火災保険の付帯率が全国より低い。損害保険は再建に向けて力になるので、加入を進めていきたい。
東日本高速道路関東支社の千田洋一支社長 能登半島地震はリスクや管理体制を見直すきっかけになった。2024年問題を解消すべく、トラックが休めるスペースの拡大や自動運転導入などの準備をしていきたい。
県中古自動車販売協会の添野健会長 昨年は中古車大型販売店での不適切なニュースが世間を騒がし、同じ業界として責任を感じている。厳しい道のりになるかと思うが、業界全体で信頼回復に向けて取り組んでいく。
県環境産業振興協会の亀井寿之会長 大災害後は倒壊家屋などの災害廃棄物処理が課題に。協会では県内の台風や大雪による災害廃棄物の処理を支援してきたが、本年度から専門の委員会を立ち上げて体制を整える。
県浄化槽協会の加藤一博専務理事 皆さまの生活に密着する製造、施工、清掃、保守点検の4団体として、デジタル化や台帳整備を推進したい。きれいな水を保つことはわれわれの使命。協会としてのレベルを向上させたい。
県電業協会の積田優会長 建設ラッシュなどが影響し、電気用ケーブルが足りないのが課題。人手不足もあり、発注を受けられない事態が起きないよう調整に努めている。県民に対して、安心安全のインフラ整備を提供したい。